第26章

朝の光が窓のカーテンを通して、のんびりと部屋に差し込んでいた。

樋口浅子が夢から目覚め、隣に誰かがいることを感じた。彼女は物憂げに目を開け、視界に入ったのは相澤裕樹の切れ長な横顔だった。

その瞬間、彼女の心臓は一拍飛ばし、驚きと心痛が入り混じった複雑な感情が湧き上がった。

「相澤裕樹、起きて」

樋口浅子が身を起こすと、相澤裕樹がベッドの縁に頭を手で支えながら床に座っているのが見えた。

どういうこと?なぜ相澤裕樹と同じ部屋にいるの?

樋口浅子は眉をひそめながらしばらく考え込んだ。

昨夜、自分が酔っぱらって、相澤おじいさんが相澤裕樹に部屋まで送るよう頼んだことを思い出した。その間、...

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